標高749メートルの妙法山はゆたかな自然と高山植物の宝庫です。
山主自ら撮った写真を添えて、四季おりおりの表情をご紹介します。
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水平線
曇天の朝、いつもは雲に覆われることの多い水平線がくっきりと現れました。まだ水面も眠っているような熊野の朝です。
蝋梅(ろうばい)
古来より日本人にとって梅は花の代名詞の一つなのでしょう。冬枯れの境内に文字通り花を添えてくれます。
蝋梅(ロウバイ)
梅とは全く別の植物ですが蝋梅と名前がついています。
赤い実三種(万両)
どこにでもある千両・万両・南天ですがどれもこの時期に赤い実をつけてお正月に彩を添えます。
赤い実三種(千両)
赤い実三種(南天)
妙法の楓
お山の楓も色づき始めました。
数百年の杉木立の中に点在する紅葉が
青い空に映える季節です。
ヒイラギの花
柊が真綿のように真っ白な花を咲かせています。
ヒイラギの古木
若い柊の葉はとげとげですが、老木になるとトゲが無くなり丸い葉っぱになります。
大文字草 八重
二種類の大文字草を植えたら、交配して八重咲の花が出来ました。あでやかですが、大の字に見えなくなっています。
イノシシの子供
夜、妙法への道路に現れたイノシシの子供たちです。いつもはお母さんと一緒に行動していますが、はぐれてしまったのでしょうか?
15秒の動画です。画像をクリックするとインスタグラムにリンクします。
那智小葉大文字草
その花が大の字に似ているのでダイモンジソウと名前が付いたそうです。
日本中に分布していてたくさんの種類があるようですが、これは那智山系で見つかった為、那智小葉大文字草と言います。
アサギマダラ
ツワブキの蜜を吸うアサギマダラです。
晩秋に舞うこの蝶は、静かで透明感がありどこか別の世界から紛れ込んできたようです。
アサマリンドウの群生
(朝熊竜胆)
花は野生のままで、肥料や消毒といった一切の人手をかけていません。
アサマリンドウの群生
(朝熊竜胆)
毎年上人の供養のためにラピス色の花を咲かせてくれます。
かさ地蔵 #01
信者さんが奉納してくれた手作りのかさ地蔵さんです。「ボケ防止のために」と仲良し4人組が協力して作ってくれました。
かさ地蔵 #02
大切にしたら、なにか良い事がありそうですね。
キイジョウロウホトトギス
(紀伊上臈ホトトギス)
近年少しずつ栽培している所が増えていますが、希少なホトトギスの仲間です。
キイジョウロウホトトギス
(紀伊上臈ホトトギス)
9月の長雨のせいか随分と虫に葉っぱを食べられてしまいました。
十五夜
恒例の十五夜飾りです。
屏風は丸山応挙で有名な四条円山派の岡本豊彦。
古い常滑の壺に境内で採ったススキを挿しています。
ミョウガ(茗荷)【起】
忙しさにかまけて境内竹林に自生するミョウガの事を忘れていました。
ミョウガ(茗荷)【承】
既に花が咲いたものもあります。
ミョウガ(茗荷)【転】
武士の間ではミョウガは冥加(神様からの恩恵・幸運)に通ずると言って武具のモチーフとしてよく使われました。
ミョウガ(茗荷)【結】
現代は・・・素直に美味しく頂きます。
ショウロウトンボ(精霊蜻蛉)
夏の終わりを告げるツクツクボウシの蝉しぐれの中、ショウロウトンボの群れが境内を飛び回っています。
秋の虫たちも鳴きはじめ、移ろう季節のお山の風景です。
【動画】です。
インスタグラムにリンクしています。
ナツエビネ
ラン科の多年草で夏に咲くものをナツエビネと言います。
珍しいビロードのような深紅の花をつけています。エビネは病気に弱く園芸品種としては敬遠されますが、妙法の山は環境が合っているのか毎年、春のエビネも夏のエビネもきれいに咲いてくれます。
ヤマジノホトトギス
ホトトギスの一種でたくさん自生しています。よく似た種でヤマホトトギスというのがありますが、花弁の反りかえらないのがヤマジノホトトギスです。
イワタバコ
日陰の苔むした岩に咲いています。
タバコの葉に似ているからだそうですが、熊野では葉をみそ汁に入れたり食用にしたのでイワヂシャとも言います。
菩提樹の剪定
境内の木は出来るだけ自然のままにしたいのですが、お堂を覆うようになると屋根がその樹液で痛みます。仕方なく剪定をするのですが高すぎてユニックを使っての作業になります。この作業の最中に、鐘楼の屋根裏と傍の木の穴の中に二つのスズメバチの巣を見つけました。お参りの皆様になにかあっては大変ですので、すぐに駆除します。ハチも懸命に生きているのにかわいそうですが、仕方がありません。
ネズミのいたずら (before)
本堂には時々、山に棲むネズミがやってきます。町にいるドブネズミとは違って、体長6~7cmの小さくてかわいいネズミです。
写真の護摩壇はいたずらされる前の状態です。
ネズミのいたずら(part one)
お供えをかじったり、物をひっくり返したりといたずらをするので、あの手この手で意地悪をして入って来られないようにするのですが。
今日は護摩壇のゴマ木や扇子を下に落として、重たい銅器の蓋を開けて、ゴマ木を結わえた紐を切るために置いてあるカッターナイフの刃を中に入れていました。
ネズミのいたずら (part two)
どうやって自分の体重より重い蓋を開けて、体より大きなナイフを中にいれるのでしょうか?
「イジワルするやつにはこうしてやる!!」と言わんばかりにナイフを向けているようにも思えます。
誰もいない夜の本堂で一人?懸命に作業するネズミの姿を覗いてみたいものです。
7月の境内
様々な緑の中に夏の花たちが競って咲くようになります。真ん中に立っている観音様の周りを極楽のように飾っています。
ヒオウギ(檜扇)
熊野の山に自生していて、有名な那智の火祭りに使う扇神輿の下部にこの葉を結わえます。和歌の枕詞で夜にかかる「ぬばたま」はこの花が終わって出来る真っ黒い種の名前からきています。
カマキリ
カマキリの赤ちゃんでしょうか?寺務所の机で見つけました。指を近づけると、イッチョマエに威嚇してきます。
三色ムクゲ
1本の木なのに三色の花を咲かせます。実は苗のころに他のムクゲを接ぎ木したのが元気に育ちました。夏の間毎日新しい花を開いて境内に色を添えてくれます。
クチナシ
7月にはいってようやくクチナシの花が咲いてきました。とても良い香りがあり学名はjasminoides(ジャスミンのような)というそうです。黄色い実は昔から食物の着色料として使われます。たくあんの黄色もこのクチナシの実で色付けしています。
ヒメヒオウギスイセン
(姫檜扇水仙)
アフリカ産ですが全世界で野生化していて、日本でも栽培が禁止されている地方があるようです。海抜600mを超える境内にまでどうやってきたのかわかりませんが、あまり増えすぎないように管理しながら、きれいな花を咲かせてくれます。
チクセツニンジン(竹節人参)
日本原産の山野草です。妙法山でも唯一境内の竹やぶに自生しています。鳥がどこかから種を運んできたのでしょうか?漢方薬で育毛剤に使われることもあるようです。
半夏生(ハンゲショウ)
葉が半分真っ白になって半分化粧をしているようなので、ずっと半化粧という字だと思っていました。7月の初めころの節目で半夏生という時期に咲く花です。昔から農家にとっては大切な節目で、このころまでに田植えや畑の仕事を終えると言われています。化粧もせずに農作業に汗を流してきた女性たちが、ようやく終わった重労働にほっと一息ついて、この花を眺めたのかもしれません。
エゾハルゼミ
夏になる前に鳴いているセミがいて小さい頃ハルゼミだと教えられていましたが、今年はじめて実物を見ました。正式にはエゾハルゼミと言うそうで、北海道ではメジャーなセミですが全国的に分布しているようです。
アジサイ
どこにでもある花ですが種類も多く、一時は鹿の食害に悩まされていたものを復活させました。いわゆる西洋アジサイ(ハイドランジャー)やガクアジサイ、お山に自生するヤマアジサイまで様々なアジサイが梅雨の時期を明るくしてくれます。
ササユリ
以前は境内にたくさん自生していたのですが、近年は鹿による食害でほとんど無くなっていました。6年ほど前から境内の周囲500mほどを電気の柵で多い、夜には鹿やイノシシが入って来られないようにしたおかげで徐々に増えてきたササユリが清楚な香りを漂わせています。特に熊野の山に咲くササユリをニオイユリと言って香りが強くたくさんの花がつくことで有名だそうです。
菩提樹
菩提樹が黄色い花を咲かせています。お釈迦様が悟りを開いた所の菩提樹はインド菩提樹と言い別の種類です。このインド菩提樹が中国では育たなかったので、この菩提樹を代わりにお寺に植えました。花が終わると、プロペラのような葉がついた実が風に乗って落ちてきます。この実でお数珠を作ったりもします。
マムシ
6月15日青葉まつりの朝、大師堂を確認に行っての帰り道です。参道にマムシがいました。お大師様の誕生日に殺生はしたくないですが、お参りの方になにかあっては大変なので捕獲しなければいけません。おまつりが終わった夕方、遠く離れた山に放してやりました。