千葉在住のM.K氏が明治の詩人で童謡作家の北原白秋が残した原稿を寄贈してくれました。
白秋は弘法大師を信奉していたのか、「弘法大師讃仰歌」という歌で、自ら導入部の
五線譜を鉛筆で書き添えています。未発表の原稿ですが貴重な資料です。
ー 追記 ー
この弘法大師讃仰歌について少し判った事がありますので付記します。
この歌の題は昭和9年に弘法大師千百年御遠忌記念会という真言宗の会が
歌詞を懸賞公募したものでした。当時の一等当選は新潟県立中学の校長で、
その詩が弘法大師讃仰歌として採用発表されました。
同時期に白秋と数多くの作品を残した山田耕筰が「弘法大師讃仰歌」を
作詞作曲をしていますから、懸賞公募の事が二人の間で話題になり、
きっと白秋も作ってみたのだと思います。その時期が懸賞公募結果の後か先かは
わかりませんが、いずれにせよ白秋が発表することは無かったのでしょう。
白秋の人柄も感じられる貴重な資料です。