大師堂修理事業
今回の修理は和歌山県文化財センターの監修により、来るべく解体修理時に500年余りの間守り継がれてきた先人たちの工夫や努力を伝えていくために細心の注意をはらって施行しました。
屋根の木部は朽ちた部分や破損した箇所を繕い、50年余り前に葺かれて老朽化し雨漏りがひどかった銅板葺き屋根を同じ工法で吹き替えました。
弘法大師尊像解体修理
令和1年6月より令和2年4月まで、京都美術院国宝修理所にて解体修理を行いました。桧材寄木造の尊像は接合部分が緩んでいるため、すべて一旦解体し組み直しました。
お身体の中に墨書があり、宝徳3年(1451年)に京都高辻大宮で院派の大仏師大進法橋と小仏師太夫法橋によって彫られた事がわかりました。
569年間に2度の修理が施されていましたが、浮き上がった後補の彩色を取り除き制作当初の彩色に補彩して当時のお姿を取り戻しました。(左:修理前 右:修理後)